433号

 「その女、ジルバ」のこと433号 

 フジテレビ系で土曜日の深夜に放送されていたドラマ「その女、ジルバ」がある。3月13日が最終回なので、この新聞が読者に届くころは終わってしまっている。全10話、何回目からか録画をして見ていた。
 40歳の主人公は結婚相手と直前に破断になり、会社では年齢を重ねるごとに肩身の狭い思いをし、ついに左遷されて「このまま何も変えられない」と思いながら、日々を過ごしていた。そんなある日「ホステス募集、ただし40歳以上」の貼り紙を目にし、思いきってBar「OLD JACK & ROSE」の扉を開けた。そこには50代から80代の高齢のホステスたちがいて、いきいきとパワフルに人生を愉しんでいた。
 見ていない回もあり、ストーリーをすべて把握してはいない。主人公に親近感を持ったのは、ふるさとが会津で、浜通りで暮らしていた弟は震災で津波に遭い、家族を連れて会津に戻ったということがわかったからだった。
 第7話で、主人公は弟のカフェのオープンのお祝いに会津に帰郷した。そのカフェに見覚えがある。猪苗代のカフェ「217(ニーナ)」。国道49号のそばに建つ築60年の農業倉庫をリノベーションして3年前にオープンした。2月初旬の雪の吹雪く日にロケが行われたという。どうりで主人公がカフェから実家に歩いて向かうシーンで、あんなに雪が降っていたのだ。
 笑って踊って、転んでもまた笑って、人生は愉しまなくちゃ、いつからでも変れる。そんな生き方応援のドラマだった。

(章)

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