434号

 さくらが咲いた434号 

 スギ花粉症歴20年。今年は症状がひどい。飛散量はさほど多くないようだが、昨年がかなり少なく、油断したからかもしれない。いつもなら2月になるとすぐクリニックに行って薬を飲み始めるが、今年は3月初めに慌てて行き、その間、10日ほど残っていた昨年のものを飲んでいた。
 スギ花粉が飛び始めたことは、わたしの場合、まず口センサーがキャッチする。言葉で表すのはは難しく味覚というより、口のなか全体で存在を感じる。コロナ禍で四六時中マスクをつけていてもセンサーは働き、くしゃみや鼻水、目のかゆみより断然、先に感じる。
 20年前、朝起きたら目が腫れていて、眼科医に「花粉症だね」と言われたが、振り返ってみると、その数年前から春先に口のなかに違和感があり、うがいや歯磨きを何度もしたり、ガムをかんだりしていた。それがスギ花粉だったとは。花粉症とはまったく無縁と思い込んでいた。
 5年ぐらいは鼻うがいと目薬で対処したが、夜も眠れないほど症状がひどくなり、毎晩、弱い薬を飲むようになった。2月初めに飲み始めると、症状はずいぶん違う。この間、もちろんマスクは欠かさず、洗濯物は部屋干し、十分な睡眠、禁酒が不可欠だ。
 花粉症初心者のころ「花粉症歴が長くなると、のどがかゆくなり、咳も出たりするのよ」と、ベテラン保健師さんに言われたことがある。本当にそうで、飛散量のピーク時には少し咳が出る。でも何より鼻水が止まらず体はだるく、目がかゆいのがつらい。
 一般的に「さくらが咲く、スギ花粉も終わる」と言われている。わが家のそばの桜並木は四分咲き。そろそろ終わりと、期待している。それにしても、日本一と言われるいわきのスギ花粉の飛散量、どうにかならないものか。

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