
またひとつ閉店した | 446号 |
学生時代から好きだった洋服ブランドのいわきの店が9月中旬に閉店した。濃紺と白をベースにアクセントカラーを加えたオリジナルのタータンチェクがシンボルだった。流行に左右されないベーシックなデザインで、体型が変わらなければ長く大事に着られた。
もともといわきでは大黒屋百貨店にあって、同様にベーシックでシンプルなデザインの2つの洋服ブランドとともに1つのエリアをつくっていた。2001年に大黒屋百貨店が閉店したあと、その3つのブランドはいわきサティ(現在のイオンいわき店)に移り、営業した。
ただ一般的に、百貨店とスーパーでは同じブランドでも流通が違うといわれているように、大黒屋百貨店で眺めていた時とは違っていた。それでも気軽にいわきでぶらり眺めて、試着して、時には迷って何回か訪ねるなどして買えるのがうれしかった。
そのうち一番かわいい感じの洋服ブランドが閉店、ずいぶん経ってもう1つもなくなった。オリジナルのタータンチェックがシンボルの洋服ブランドの店だけ残り、イオンに行った時には立ち寄っていた。
このところはコロナ禍でずいぶんご無沙汰していたが、たまたま買い物に行った家族が「あと1週間ほどで閉店します。これまでありがとうございました」と言われ、閉店することがわかった。教えられて行ってみると、店に「閉店」の文字はまったくない。最後まで普段通りに営業して、静かに閉じる考えのようだった。
「コロナが落ちついての復活はありませんか」と聞いてみたが「難しい」との返答だった。これから、そのブランドの服を買うには仙台か水戸まで行かなければならない。また1つ愛用の店がなくなった。
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