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ウクライナのこと | 458号 |
ロシア軍のウクライナ侵攻が始まって1カ月が過ぎた。日々、さまざまな報道を見ている。けさのニュースでは、南東部の港湾都市マリウポリの全域が破壊尽くされた…と伝えていた。
ウクライナは面積が日本の約1.6倍。青と黄色の2色の国旗は、青が空、黄色が小麦を表している。ちなみにロシアの「スラブ3色」と言われる白と青と赤の国旗は、白が高貴と率直(ベラルーシ人)、青が名誉と純潔性(ウクライナ人)、赤は愛と勇気(ロシア人)を表す。
国を象徴する花はひまわり。20世紀初めから、ひまわり油を取るために栽培が広がった。第2次世界大戦で当時のソ連の戦線に行った夫を、終戦後も妻は待ち続け、探しに行くイタリア映画「ひまわり」のあのひまわり畑は、クリミア半島の北のヘルソン州で撮影されたという。いま全国の劇場で相次いで「ひまわり」が上映されている。
冬になると読みたくなる絵本「てぶくろ」(福音館書店)もウクライナ民話。おじいさんが森で落としたてぶくろにネズミが暮らし始め、そこへカエルやウサギ、キツネと次々やって来て満員状態。そこに、おじいさんが来て…という物語。初版は1965年、多くの人が読んでいるだろう。
ピアニストのホロヴィッツやリヒテル、劇作家のゴーゴリ、世界で初めての人工衛星を打ち上げ、ソ連(現在のロシア)の宇宙開発に貢献したコロリョフもウクライナの生まれ。チャイコフスキーだって、祖父はウクライナのコサック出身という。
きょうもウクライナ各地で戦闘が続いている。このロシア侵攻の原点は、2014年に起きたマイダン革命といわれている。早く、ウクライナの人々が安心して暮らせるようになるといい。
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