玄米スープのはなし | 479号 |
疲れから体調を崩した家族のために、久しぶりに玄米スープを作った。以前は数日おき作っていたが、ここ何年も玄米を煎ることはなかった。無農薬の玄米を買い求め、3合ほど水で洗って1晩ざるに上げておき、翌朝、厚手の油気のない平鍋で煎った。
玄米スープはずいぶん前に、料理研究家の辰巳芳子さんの『あなたのために』(文化出版局)で知った。辰巳さんが父を介護するなかで作ったスープのレシピ集で、玄米スープは最初に掲載されている。シンプルなスープなのでお茶代わりにも飲める。
レシピは前に1度、この欄で紹介したことがあるが、体調を崩した時や高齢者だけでなく、疲れを感じた時も、小さな子どもにもお勧めなので、再度ふれておく。
中温でしっかり熱した平鍋に玄米を入れて、木製のしゃもじで均一に混ぜ、香ばしいにおいが漂い、小麦色になるまで煎り続ける。煎り玄米はその都度作るのではなく、4、5回分をまとめて煎って瓶に保存しておくと、手軽にスープが作れる。
材料は煎り玄米が80グラム、昆布は5センチ角で2、3枚、梅干しを1個、それに水を5カップ(ほかに、好みで少し塩を加えてもいい)。それらをほうろうの鍋に入れて、火にかける。煮立つまで中火、煮立ったら鍋のふたを少しずらして、弱火で30分ほどふつふつ炊く。火を止める前に、玄米を口にしてみるといい。玄米自体に味が残りすぎていたら、煮出し足りない。できあがったら濾して、カップに入れる。
体調が悪かった家族には食事の代わりに飲ませ、ほかに温めた無添加・無加糖のリンゴジュースと16穀甘酒をおやつ代わりにした。すると次第に身体に力がついてくるのがそばで見ていてもわかり、すっかり元気になった。
だれかのために、そして自分のために、覚えておくといいレシピのひとつ。離れた家族や友人にも、小分けにして冷凍すれば宅急便で送ることもできる。
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