488号

戦後最悪の通常国会 488号

 第211回の通常国会が6月21日に閉会した。
 原子力発電所の運転期間が実質的に60年を超える延長を盛り込んだGX脱炭素電源法、防衛費増額に向けて税金以外の収入を活用する防衛力強化資金の創設を盛り込んだ財源確保法、難民認定申請中は強制送還が停止されるルールを改め、3回目以降の申請者は「難民認定すべき相当の理由」を示さなければ送還できる改正入管法、性的少数者への理解を広げるための法律なのに、結果的に差別を助長してしまうかもしれないLGBT理解増進法、そして来年秋にいまの健康保険証を原則廃止してマイナンバーカードと保険証を統合する改正マイナンバー関連法などが、この国会で成立した。
 先日のサンデーモーニングで、ジャーナリストの青木理さんはこの国会を「戦後最悪の国会」と評した。数の論理にものを言わせ、私たちの思いとはかけ離れている法律の成立。「だれをしあわせにするのか」と、青木さんは語っていた。それら法律が望むものではないとわかってからでは遅い。そして原発事故を経験している私たちは「知らなかった」ではすまされない。

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