報道されない | 494号 |
ワクチン問題研究会という団体(一般社団法人)がある。新型コロナウイルスのワクチン接種で長く体調不良に悩む人たちを助けるために、医師や学識経験者などが設立した。代表は京都大学名誉教授の福島雅典さん。これまでコロナワクチンを接種して体調を崩した人たちと向き合ってきた、全国有志医師の会が母体になっている。
そのワクチン問題研究会のメンバーたちが9月7日に厚生労働省会見室で記者会見を開いた。間もなく、知人から会見の動画が届き、見てみた。
メンバーたちは「ワクチン接種で長く体調不良に悩む人たちのことを、マスコミに訴えても聞いてくれない。事実を事実として訴えても報道しない。国民が知っておくべき事実が伝えられない」と訴え、ワクチン接種後遺症の診断基準や検査法を確立して実態を明らかにし、患者がきちんと医療を受けられようにすることや、データベース化をする必要性などを説明していた。
ワクチン接種による体調不良の症状はめまい、心筋炎、胸痛、目の異常、顔面神経痛、不正出血など広汎で、今後、遅発性の合併症が出てくる可能性もあると指摘する。「だから社会が向き合えるように、真実をありのまま伝えないとだめなのです」と。
ちょうど同じころ、遠方で暮らす知人と電話で話していて「こちらでは、福島県民などが国と東電に海洋放出の差し止めを求める訴えを裁判所に起こしたことを新聞もテレビも報道しない。どうしてなのだろう」と聞かれた。
見落としているかもしれないが、自宅や編集室にある新聞は福島県版には載っていても、社会面などほかの面では見当たらない。テレビも全国ニュースでは見た記憶がない。岸田首相が福島産の刺身ランチを食べたことは各メディアがこぞって報じても、海洋放出差し止めの提訴は一部のメディアしか伝えない。
新聞やテレビで報道されなくても、関心のある人はネットで検索すれば記事が読め、動画も見られ、自分なりの判断・行動ができる。しかし、そうでない人は考える機会を得られないままになってしまう。でも、この「報道されない」は改善されにくいだろう。だから、それを意識して日常を過ごすことが大切だ。
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