496号

久しぶりの七七会 496号

 久しぶりに小学校時代の同級生たちと酒席をともにした。新型コロナウイルスの影響で、みんなで会うのは実に3年ぶり、正確には約3年9カ月ぶりだった。記憶は定かでないが、この間、何度かLINEやZoomを使って飲み会をした。
 もともとのきっかけはFacebookで、同級生たちとつながり、そのうちに「集まろう」となった。小学校時代といっても初めは1、2年生のクラスメートたちで、担任の先生の名前を取って「米谷クラス」と呼んでいた。
 年に2回、夏と冬に定期的に集まるようになり、やがて米谷クラスでなかった同級生も加わった。一時期は「同級生の輪を広げていって、60歳には同級会をしよう」と盛り上がり、所在のわかる同級生にも声をかけた。しかし、ある時期から7人の指定席になり、集まりの名称も1977年に小学校を卒業したので「七七会」と、会長が名づけてくれた。
 お酒を飲みながらその時々、いろんな話をしている。なかには卒業以来という人もいたが、そこは同級生。定期的に会っているうちに、遠いあの教室の無邪気な気心の知れた仲間に戻っている。
 3年9カ月の空白は外見からも、気持ちからもまったく感じなかった。ジムに通って20㎏痩せた会長はさすがに細くなったが、そのほかは2020年のお正月明けの印象のまま。「久しぶり」のあいさつの後は、つい先日も会ったようにおしゃべりが始まった。
 なかには九月の台風13号による線状降水帯の大雨で、自宅が床上浸水の被害に遭った仲間がいる。早めに避難したので増水の恐怖は感じていないが、翌日、自宅を目にして、4日間は眠れなかったという。それでも片づけをしながら前を向くようになり、リフォームも進んで「10月下旬には実家住まいを終えて自宅で暮らせるようになる」と、笑顔だった。
 いつも県内あちこちの日本酒を持ってきてくれる会長がこの日も2本持参し、飲み比べをしながら、よく食べ、よくしゃべり、よく笑い、またたく間に時間は過ぎた。「やっぱり同級生はいいね」。そう言って、酔っ払いはそれぞれ帰路についた。

(章)

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