小林小夜ちゃんのこと | 502号 |
「東京ブギウギ」などで知られる歌手の笠置シヅ子さんをモデルにしたNHKの朝ドラ「ブギウギ」を楽しく見ている。主人公の福来スズコ役の趣里さんの好演に拍手を送りつつ、小林小夜ちゃんを演じる富田望生さんがやっぱり気になる。
小夜ちゃんは福島県出身の女性で、親に捨てられて12歳で奉公に出された。歌手になるのが夢で「弟子にしてほしい」と、スズコを訪ねてきた。以来、スズコを支えながらも周囲をかき乱し、騒がしくて危なっかしいが、明るく元気で一生懸命で憎めない。恋人のアメリカ兵のサムに「騙されているのでは」と、だれもが思ったことだろう。
小夜ちゃん役の望生さんはいわき市出身。生まれる5カ月前に父を亡くしている。郷ケ丘小学校の5年生の時に震災が起きて、お母さんの仕事の関係から東京で暮らすようになった。
いわきではピアノを習い、将来、ピアノの先生になるのが夢だった。けれど東京ではピアノを弾く気持ちになれず、やりたいことが見つからなかった。そんな時、インターネットで子役養成所の募集広告を見つけ「テレビに出られたら、いわきの友達が見てくれるのでは」と思い、お母さんに内緒で応募した。
レッスンに通いながら映画やドラマのオーディションを受け、中学3年生の時に映画「ソロモンの偽証」で女優デビューした。役作りのために体重を十五キロ増やして、撮影に臨んだ。その後、数々の映画やドラマ、舞台に出演している。映画「チア☆ダン」で共演した広瀬すずさんが主演した朝ドラ「なつぞら」では、ヒロインのなつの親友を演じた。
先週の「ブギウギ」で、小夜ちゃんはサムにプロポーズされ、一緒にアメリカに行ってしまった。小夜ちゃんのいない「ブギウギ」は落ちついていて安心感があるが、なんだか寂しくもある。そうそう、サム役のジャック・ケネディさんの本業はプロレスラー。幼稚園などで英語を教えながら修行をしているという
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