508号

ラーメンのはなし 508号

 「どこのラーメンがおいしい?」と聞かれると、いま「道の駅 よつくら港の『よつくら喜一』の塩ラーメン」と答えている。澄んだチンタンスープで、シンプルでおいしい。
 道の駅 よつくら港はオープンして8カ月ほどで2011年の震災で津波に襲われ、翌年夏にリニューアルオープンした。その際、喜多方にあるラーメン店「喜一」が「復興に役立つなら」とのれん分けをして、初めての姉妹店「よつくら喜一」が誕生した。
 喜多方に出かけたら「喜一」でラーメンを食べて、店主の吉田満さんに話を伺いたい…と思っていたら、2月にTUFで放送された「梅沢富美男の福島らーめん物語」で、喜一が取り上げられていた。家族が録画していてくれたのを最近見た。
 それによると、吉田さんは30歳の時、会津若松にステーキハウスをオープンした。数カ月後、原因不明の病で入院し、その間は奥さんが店を切り盛りした。1年後、復帰して精力的に働き、店は繁盛した。しかしバブル崩壊後、お客さんは減り、経営的に苦しくなり、店を閉めざるを得なくなった。
 そして2004年、54歳の時に、喜多方に「喜一」を開店させた。ステーキハウスでコース料理の締めに、常連客にラーメンを出していた。そのラーメンの評判がよかった。最初の1年は朝7時から夜7時まで店を開け、休みは元日だけだった。味と家庭的な雰囲気から、たちまち人気店になった。
 目指しているのは、毎日食べても、朝から食べても飽きないラーメンという。ラーメンが食べたくなった。 

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