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九十歳。何がめでたい | 514号 |
少し前の日曜日、母と小名浜のポレポレシネマズで「九十歳。何がめでたい」を見た。映画好きな母はよく友達と映画館に出かけていたが、新型コロナウイルスの流行以降、誘い合って行くことがなくなった。というより、4年ほどのブランクでバスに乗らなくなり、日常の行動範囲が狭まっている。
「九十歳。何がめでたい」は昨年、百歳を迎えた作家の佐藤愛子さんのベストセラーになった同名のエッセイが原作。のんびり暮らすために断筆宣言をした愛子だったが、社会とのつながりが断たれ、新聞やテレビをぼうっと眺める日々を過ごしていた。そこに頑固な中年の昭和気質の編集者が連載の依頼に来るが、断筆を理由に断る。
しかし編集者はめげない。猪突猛進に口説き、愛子も引かないので攻防戦になり、そのうち情にほだされ連載を始める。エッセイは人々の評判を呼び、新たな人生が切り開かれていく――という物語だ。1時間40分ほど。終わって外へ出るとお昼時だったので、担々麺のおいしい中華屋さんまで歩き、映画の話で盛り上がりながら昼食をとった。次は母と何を見よう。平のまちポレいわきで8月中旬に上映される「お母さんが一緒」か「クレオの夏休み」かな、と思っている。
(章)
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