516号

映画「フラガール」のこと 516号

 1週間ほど前、映画「フラガール」をポレポレシネマズいわき小名浜で見た。大画面で見たのは2006年の公開前の試写会以来で、その後、DVDや映画番組で何回か見ていたが、新たに気がついたことや、この間に記憶が入れ替わってしまったことなど、いろいろ発見があった。
 例えば、東京に帰ろうとするまどか先生をフラガールたちが湯本南駅で引き止めるシーンは、列車が走り出す前にまどか先生は降りて、走り去った後、ホームに立つ先生の姿が現れたと思っていた。ところが走り始めた列車のなかで、まどか先生は非常停止ボタンを押したようだ。非常ブレーキをかけて止まった列車から、まどか先生が降りてきた。
 紀美子の親友で、夕張に引っ越した早苗から届いた小包の存在感にも気づかされた。画面いっぱいに映し出され、消印が「昭和41年1月3日」とわかる。常磐ハワイアンセンターのオープンの2週間前で、その小包は、紀美子とフラダンサーになることに断固反対する母をつなげ、初ステージでソロを踊る紀美子を勇気づけた。
 ロケを追いかけ、後日、ロケ地を訪ねたので、映画を見ていると、それぞれの場所も思い出される。レッスン場になった古殿町公民館の旧古殿中学校寄宿舎、炭砿住宅は北茨城市の関本町や中郷町、ラストのタヒチアンダンスのシーンはハワイアンズで、多くのエキストラの協力を得て、大がかりな撮影となった。
 20年近い歳月を経ても、映画「フラガール」は古くならない。      

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