天平の詩

 

 物を見る眼は鋭く、そして緊張してゐなければなりませんが、表現されたものには眼つきの固さがそのまま出てはなりません。それには平素もこの緊張を呑気にすがすがしく消してゐなければなりません。

 

 天平は人当たりがよく、仲間から好かれた。酒を1滴もたしなまず、飲み会では友人たちの議論をにこにこしながら聞いていた。一方で折り目正しく、常に自分のペースで正論を吐くので煙たがられたりもした。「平素も緊張を呑気にすがすがしく消す」。これは天平の人づきあいや人生の心得なのだろう。