天平の詩

 

  己れ一人に克つ者が万人に克つ者であります
  己れ一人の為に
  己れ一人の穢(けが)れを祓(はら)ふ者であります
  他人(ひと)を謗(そし)れば
  他人も夜臥して朝起きる己であり
  やはり同じ
  謗ります
  美も醜も結局は己れ自身なのでありますから  
  美しい人事を称へるわけにもゆかず
  醜い人事を蔑(さげす)むわけにもゆきません

 (二 自己と人界)

 

 「戦争に際して思ふ」の中から。「美も醜も結局は己れ自身なのでありますから」と諭され納得するしかないのだが、このところの愚かでお粗末な政治に対する怒りは収まらない。「これは私憤ではなく公憤」として心と折り合いをつけていくしかない。まだまだ人間ができていない。