老木
乾いてもはや気色もなく
単にいつぽん微かに立つて
小さな枝も
久しく動かぬ
そよそよと風が吹いている
天平の生家に大きなクスノキがある。そもそも暖地に多いのだが、いわきでも見られる。生家のクスノキは天を圧するほど大きく、いつも見上げてしまう。兄の心平はその大木のなかにフクロウが住んでいて、夜には鳴き声が聞こえてきた、と書いている。その木はいまも健在で、確かに「そよそよと風が吹いている」という空気感がある。いまも残っていることがうれしい。
老木
乾いてもはや気色もなく
単にいつぽん微かに立つて
小さな枝も
久しく動かぬ
そよそよと風が吹いている
天平の生家に大きなクスノキがある。そもそも暖地に多いのだが、いわきでも見られる。生家のクスノキは天を圧するほど大きく、いつも見上げてしまう。兄の心平はその大木のなかにフクロウが住んでいて、夜には鳴き声が聞こえてきた、と書いている。その木はいまも健在で、確かに「そよそよと風が吹いている」という空気感がある。いまも残っていることがうれしい。