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梅雨
蔵の瓦から雫がおちて
蜘蛛の巣はゆれて
ものさびしい
苗代からは
苗をたばねる人たちの
話もきこえる
『ひとつの道』のなかの一篇。天平は最初の妻ユキが亡くなったあと東京を引き払い、一人息子の杏平とともに、小川町上小川へと戻った。この詩の舞台は明らかに、上小川だろう。梅雨の寂しさ、雨の冷たさが心に沁みる。
梅雨
蔵の瓦から雫がおちて
蜘蛛の巣はゆれて
ものさびしい
苗代からは
苗をたばねる人たちの
話もきこえる
『ひとつの道』のなかの一篇。天平は最初の妻ユキが亡くなったあと東京を引き払い、一人息子の杏平とともに、小川町上小川へと戻った。この詩の舞台は明らかに、上小川だろう。梅雨の寂しさ、雨の冷たさが心に沁みる。