424 無着菩薩像

 

  手に粗末な器を一つ持ち
  米を欲しいでもなく
  欲しくないでもなく
  ぼうつと広く
  そして優しく一つところを見て
  この地の上に
  黙つて立つてゐる

 (無着菩薩像)


 天平が考える「詩人と食」について無着立像の姿を使って説明しているような詩。無着は5世紀ごろに北インドで活躍した僧で、興福寺にある立像は国宝で、鎌倉時代に彫られた。晩年の運慶が六男の運助を指導して彫らせたとされ、高さは2m弱ある。