すこしの音(ね)もたてずに
さも寂しく
さうして
幾らかの光をこころもち帯びて
単(ひと)つの色に
おのづから斉(ととの)ふ
ひそやかに知れぬほど
しぜんにしたがつて
常のやうに閑(しづ)かに
姿のよい
松は松で
さも
かるげに離れて
影すらもなく
(海)
『定本全詩集』に入っている。遺作「河」や「朧夜」に通じるトーンがある。穏やかで静かで、決して暗くない。そこには穏やかな孤独のようなものがある。
すこしの音(ね)もたてずに
さも寂しく
さうして
幾らかの光をこころもち帯びて
単(ひと)つの色に
おのづから斉(ととの)ふ
ひそやかに知れぬほど
しぜんにしたがつて
常のやうに閑(しづ)かに
姿のよい
松は松で
さも
かるげに離れて
影すらもなく
(海)
『定本全詩集』に入っている。遺作「河」や「朧夜」に通じるトーンがある。穏やかで静かで、決して暗くない。そこには穏やかな孤独のようなものがある。