不協和の調べは一つもなく
又同一の調べもない。
それはこの上もなく純一で、
しかも変化に富んだ交響曲である。
(木々の梢)
「上小川時代のノート」にしたためられている。このノートは天平が亡くなったあと、梅乃が上小川を訪ねた際に、天平が姉のように慕っていた永井姫子から手渡された。天平は昭和17年から杏平を連れて上小川に戻り、詩作に励んでいた。このノートには、自然を深く見て共鳴する内容のものが、多く書かれている。
写真は、小川町高萩家ノ前にある小川諏訪神社のしだれ桜(ことし4月7日)。妖艶な雰囲気を持つ見事な樹で、おそらく天平も見ていたと思う。