ずーっと我慢。今が肝心な時です。
まだコロナ |
ひと月前のこの欄で、4月7日に緊急事態宣言が出されたと書き出して、ひと月後はどうなっているのだろうと書いていた。そしてこの原稿を書いている今日は、5月1日。状況は相変わらずで、まだ先が見えない。最悪のとんでも無いことにはなっていないようであり、気を許せばまだこれからそうなることもある。ずーっと我慢の、今が肝心な時という状況が続いている。
大学への学生の登校禁止は5月10日から5月末まで延長された。実技が主な藝大にとっては、いつまでアトリエが使えないのか、卒業年度の学生にとっては、本来1年かけて制作する卒業作品の制作時間が減って行く。十分な時間がないのであれば、休学も考え始める者が増えてくる。秋入学という話題が俄かに国会とか全国知事会で取り上げられてきた。学校に行けない時間が伸びれば、教育の現場はそんなことも考えざるを得ない。
これに対して関係機関の対応は、各自考えなくてはならないと話し合っているだろうが、「まわりが決まらないと進まない…」とみんなが万事そんな感じであろう。ハンドルの切れ具合が悪く、視界も悪く、羅針盤もあてにならないなあ、という経験をしたことのない海域での航海が続いている。「こんなはずじゃなかった」と乗船客は言い出している。しかしどの船に乗っても、同じ海の上では…。前回と同じことをここでまた言っておく。次回この原稿を書くひと月後には、この状況はどうなっているのだろうか?
前回はどんでもない状態になるかもしれないという危機感があったが、今回は「そうはならないだろうけれど、急激に好転もしないだろう、きっとこんな状態でまたひと月後もむかえるのだろう」という覚悟はしておこう…」という気になっている。しばらくはこの気持ちの変化を書き留める日々の新聞にしよう。早くコロナの話題でない記事が書けることを祈って…。
(アーティスト)