220:明後日のアートの学校

アートが社会と接続し課題解決できれば

明後日のアートの学校

 姫路市の西部に位置する書写山円教寺の摩尼殿で明後日朝顔プロジェクトが始まります。長さ7mのロープ200本を摩尼殿に設置し、プランター40箱に土を入れて、全国から送られてきた明後日朝顔の苗を植える作業は、地元のみなさんが参加して行われました。これは姫路市美術館が主催する「オールひめじ・アーツ&ライフ・プロジェクト」の一環で、私のアートプロジェクトを姫路市内各所で今年度展開していきます。
 私1人がアーティストとして行うのではなく、これまで私のアートプロジェクトに参加してくれた若手アーティストらに、円教寺の妙光院という場所でレジデンスしながら、年間通して六のアートプロジェクトを行っていきます。この類の取り組みはこれまでに経験がなく、(きっと日本初?)かなりの力技(かつ柔軟性)と経験値が必要となります。
 巷で展開する際に、いろいろな人を巻き込めば巻き込むほどアートプロジェクトとしては深みが増しますが、その分、気も使います。企画を進めていく中でいろいろな課題が出てきます。
 市の主催だけど、県の施設、スタッフを使用することになった、学校と連携するから教育委員会の許可が必要、お寺は県の文化財指定、植物を扱うので環境課への申請が、どちらからどちらへ申請を出すのか? 経費の仕分け等々、配布されたアートプロジェクトのチラシからは見えてこない地道な苦労が沢山あります。
 アートの活動として、単純に美術館の展示室という守られている空間で作品を展示すればいいようなものですが、手間がかかるけれども、これは今の社会にはとても必要なアクションだと思っています。アートが社会と接続することによって社会的課題をアートが解決をするきっかけを生み出していく。「明後日のアートの学校」というタイトルで姫路市内で六人のアーティストとともに走り始めたところです。
 この学校の基本理念を創りました。いかがでしょうか?
「明後日のアートの学校は、授業のようで授業じゃない授業、先生のようで先生でない先生、生徒のようで生徒でない生徒、始まっていないようで始まっている始まり、終わっているようで終わっていない終わり、私のようで私でない私、他者のようで他者じゃない他者、明日のようで明日じゃない明後日を・・・そうぞうしていきます。」

(アーティスト)