230:領土争い

 

領土争い

 もしも世界中の人々がアーティストだったら領土争いというものが起きるのだろうか? 起こらないような気がする。アーティストは人と同じものは欲しがらないし、なければないで自分なりに探したり、創り出したりする癖がある。だったら世界中の人がアーティストになる方法はないのだろうか? ということを考えてみることは無駄ではない気がするし、全く不可能なことではないような気がする。
 様々な職業があるけれども、その職業をみんなアーティストとしてみる。アーティストがお米を作り、アーティストが教育者になり、アーティストが科学者になる。そうするには、どうすればいいのか・・・。人間がこの世に生まれたらまずはアーティストとして育てる。アーティストとは、1人ひとりのその人なりの考え方を、その人ならではの個性と捉え、その存在を否定はしない。「それはそれでいいんじゃないかな」。
 現実的にあり得る話:10人の真ん中にリンゴが1つありました。そのリンゴをみんながそれぞれ絵に描きました。しばらくして、絵を描き終わり、みんなで絵を見せ合うことになりました。10枚の絵は、同じリンゴを描いたけれども、それぞれ違っていて、同じ絵は1枚もありませんでした。10人は「それはそうだ。違っていて当たり前だし、その人らしさがそれぞれ描かれていて、それでいいんじゃないか」と思っていました。
 現実的にあり得る話を77億倍にしてみた話:77億人の真ん中に地球が1つありました。そのリンゴをみんながそれぞれ絵を描きました。しばらくして、絵を描き終わり。みんなで絵を見せ合うことになりました。77億枚の絵は、同じ地球を描いたけれども、それぞれ違っていて、同じ絵は1枚もありませんでした。77億人は「それはそうだ、違っていて当たり前だし、その人らしさがそれぞれ描かれていて、それでいいんじゃないか」と思っていました。

(アーティスト)