科学とアートのつながり |
タラジャンビオアートプロジェクトの沖縄での海洋調査を行ってきました。OIST(沖縄科学技術大学院大学)と沖縄県立芸術大学と恩納村漁業組合の協力を得ての実施です。この調査を通して「海」という共通の関心事を持ち、「海」の現場で共通の体験をし、意見交換することができたことは、とても充実した時間を過ごすこととなり、今後の自身の活動、思考にも大いに参考になる経験となりました。
やはり「海」は色々な人をつなげてくれ、生命のエネルギーを生み出してくれる世界です。タラジャンビオも「海」がタラとジャンビオをつなげてくれています。タラは世界の海の海洋環境を調査している科学探査船の名前であり、教育とアートと科学で海洋環境課題を世界に発信して行く団体名でもあります。ジャンビオは日本の国立大学の海洋、臨海研究所の集まりの団体名です。
タラの活動を日本の海で展開して行く際に協力をしていただいています。このように様々な関係者がつながっていることを改めて感じています。今回の海洋調査はマイクロプラスチックです。タラジャンビオではこの3年間で日本各地(厚岸/北海道、浅虫/青森、女川/岩手、佐渡/新潟、下田/静岡、菅島/三重、牛窓/岡山、竹原/広島、粟島/香川、天草/熊本、恩納村/沖縄)で海面の海水、海底の砂を採集しマイクロプラスチックの調査を行ってきました。
その中でも抜群に透明度のある沖縄の海(水深20m近くまで光が届いています)でも、マイクロプラスチックはありました(こまかな軽石も海面に多かったのも印象的でした)。これまでのタラジャンビオ調査での結果、定量的に平均して表層水は1㎢に70g(最高値は460g、最低値は0.058g)。堆積物は300kgのマイクロプラスチックがありました(最高値は1703㎏、最低値は4.8㎏)。
タラの海洋調査では、科学的な調査でわかったことを伝えることと同時に、必ずアーチストが同行してそこで体験したことを作品にして発信しています。それによって海洋環境の課題を伝えて行くことができるからです。「タラジャンビオアートプロジェクト展」を瀬戸内海に浮かぶ粟島で開催しました。今後もこの活動を続けて行くにあたり「海」を通して多くの方々、団体などとつながって行くことになるだろうと確信しています。
(アーティスト)