

| 天草と砥部 |
熊本県天草市と愛媛県砥部町は、共に陶磁の産地です。11月2日に「僕らは地層で繋がっている!天草・砥部」をネットで繋いでワークショップを行いました。きっかけは、私がこれらの二つの地域で異なるアート活動をしていて、互いが十一月に芸術祭を行うことになったからです。私の体が一つしかないので、11月1、2日は天草、3日には砥部に行く予定を立てました。「何か一緒にできないかな」と調べていて、天草と砥部が地層でつながっていることがわかり、それをキーワードにと考えました。
天草の陶石を砥部に送り、砥部の陶石を天草に送り、それぞれの土地の人に、送られて来た陶石で作陶してもらいました、その様子をネットで同時中継をして感想を述べあったりをして、互いが地層でつながっていることを認識しながら、互いが違いを確認することによって自らの特徴を再認識し合うという仕掛けです。
その地層をテーマとするワークショップを行うにあたり、11月1日には「土はどこからやってくるのか? 地球に聞け、人間に聞け!」というシンポジウムを天草で開催しました。地質学者の鵜飼宏明さん(天草市立御所浦恐竜の島博物館学芸員)が地球の声を、陶芸家の三上亮さん(東京藝術大学美術学部工芸科教授)が人間の声という設定で、私がファシリテートして地層の話、陶土、陶石の話をしていきました。
この会場には緑石砂岩が展示され、その石の存在で大いに盛り上がりました。この石はシンポジウムが始まる直前に天草の海岸線からサンプリングされたものです。この石から釉薬ができないだろうか、それを新たな地場の産物に出来ないだろうか?、という投げかけをし、会場に来ていた陶芸家などからも積極的な意見が飛び交いました。
地元の陶芸家たちはこの日、緑石砂岩の存在を地質学者の鵜飼さんによって初めて知って、採集したものでした。三上さんは「使えない土・石はひとつもない」との意見を持っていて、「悪いとか、使える使えないを決めるのは人間次第」ということを再認識しました。
先人たちが見つけた陶石だけでなく、新たに土地にあるものを生かしていこう! 今後、地層でつながっている天草と砥部が、さまざまなかたちで連携することになりそうです。これからどのようなものが生まれてくるのか、楽しみですが、これは商品開発ではなく、地球と語る時間を生み出してくれる人間力開発として、地層域の人づくりに生かしていきたいと考えています。
(アーティスト)
