419号

 編集室から419号 

 8月は鎮魂の月です。林京子は芥川賞受賞作「祭りの場」で、自らの被爆体験を綴っています。書き始めると、出てくる言葉が感傷的で余計なものに感じ、削り続けたそうです。その後も核兵器や原発を命の問題として捉え、右傾化による歴史のねじ曲げ、戦争・被爆体験の風化に抗し続けました。そして3.11以後は、核兵器廃絶、原発廃炉、憲法改正反対の意志を、作品や発言を通して毅然と示しました。命日は2017年2月19日。享年は86でした。

(編集人 安竜昌弘)

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