486号

吉田機司とうにの貝焼き 486号

 今号の特集は「心平の海」です。心平と海との関わりを調べているうちに、「吉田機司」という名前が出てきました。中之作出身の磐中同期生で、医師です。そこから「機司探し」が始まりました。
 中之作は「吉田姓」が結構あります。かつて庄屋だった家の吉田さんに尋ねてみると、「名前に司がついているのは長八関係じゃないかな」とヒントをもらいました。浜ではそれぞれの家を屋号で呼び合います。念のために従兄(この家も吉田姓)に確認すると、「機司先生というのを聞いたことがある。長八だね」ということになり、生家に連絡していろいろと教えてもらいました。同時に市川文学ミュージアムに問い合わせて、機司の略歴を知ることができました。
 晩年の機司は体が弱り、お粥とうにの貝焼きだけで命を保っていたとそうです。原発事故後、貝焼きは信じられないほど高騰し、庶民にとっては高嶺の花になってしまいました。

(編集人 安竜昌弘)

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