旧交をあたため合ったひととき | 517号 |
暑さが厳しかった8月31日の夜、平の料亭に懐かしい顔が集まった。駆け出し時代に苦楽をともにした記者仲間8人と当時、市の広報広聴課勤務で交流があった2人の計10人。なかには「35年ぶりのいわき」という人もいて、大いに盛り上がった。
興味深かったのは、いわきを離れていった記者たちの記憶がその時点で止まっていること。「いやあ、駅がペデストリアンデッキになっていて驚いたよ。ビルも増えたね」という声が多かった。こちらはずっといわきにいるから「そうかな」と思うのだが、なかには「まだ平駅でヤンヤンの時代だったよ」という人もいて、まるで浦島太郎のようだった。そうした話を聞いていると、こちらも当時の風景がよみがえってくる。
現状報告ではまだ仕事をしている人、完全にリタイアして家でのんびり過ごしている人に分かれた。そして当時の事件やエピソードなど思い出話に花が咲き、終始和気あいあい。そして、だれからともなく、「来年もやらない?」という声があがった。
「時が過ぎるのではない人が過ぎるのだ」とは田村隆一の詩の一説だが、そんな言葉が浮かぶひとときだった。
(編集人 安竜昌弘)
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