omb462号

 紙面を読んで From Ombudsman462 

 

画・松本 令子

 

 吉田 恵美子

 458号「七日町通りのはなし まちづくりに必要なのは人の熱」を読んで、4年前に「全国コットンサミット」を開催した時のことを思い出しました。
 この記事は、3月6日に清航館で催された中之作プロジェクトの「空き家セミナー4」の報告。講演者は七日町通りまちなみ協議会(会津)の庄司裕氏でした。講演の中で庄司氏は、かつては主要街道が通り、会津一の繁華街として賑わっていた商店街が廃れてしまったことを嘆いた地域の商業者たちが、通りの再生を進めてきた経験から、「まちづくりは、人が一生懸命にならないと何もできない。熱が必要と思う」と、語っていました。
 こうした庄司氏たちの熱が生み出したものに、私自身が触れて深く感銘を受けたのは、2018年10月。全国のコットン産業に関わる関係者など約200名をいわきに招いて、情報交換の場である「全国コットンサミットin福島いわき」を開催した時のことでした。
 その関連事業として、県内のコットンに関わる伝統産業の現場にも足を運んでもらおうと、会津木綿の産地である会津若松市を訪問するバスツアーを企画。同市内の数ある観光名所の中で、会津木綿を切り口として地域ならではの魅力の感じ取れる場所に七日町通りが候補に挙がり、渋川問屋での昼食を挟んで、まちなか散策を楽しむルートが決定したのでした。
 協議会メンバーでもある桐屋紙器工業所代表の諏佐淳一郎氏に案内頂きながら、通りの商店の皆様に事情を説明すると、どの商店でも即座に温かいお返事が返ってきました。ツアーの受け入れだけではなく、地域の魅力を伝えたいという熱い想いの伝わってくるお返事ばかりでした。そして、全国からの約40名のツアー参加者はこのまちなか散策を非常に喜び、サミット自体にも好感触を抱いてくれました。
 地域の宝を活かす人の熱意があって、初めて地域の活性化は実を結ぶのだということを、庄司氏の言葉から懐かしく思い出したのでした。

(ふくしまオーガニックコットンプロジェクト代表理事)

 

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