| 紙面を読んで From Ombudsman | 538号 |

安斉 タツ子
「日々の新聞」の取材記事は、バックナンバーであっても創刊号から色あせない確実な場所が明記されているのが特徴です。昨年、「日々の新聞」では「賢治の東京」を特集しました。前いわき賢治の会会長の小野浩さんの案内で地図を手に1日中、14㎞にも及ぶ道のりを歩いた臨場感あふれる新聞になっていました。
宮沢賢治は、東京には10回近く足を運び、その間「トランクいっぱいの原稿」を書いたのでしょう。デパート、歌舞伎、丸善などに出かけ、文化の窓口を広げていった賢治が見えてきました。「日々の新聞」は、取材に基づいた記事が丁寧にまとめ上げられているので、掲載紙を手に、その場所をたずね歩くのにとても助かります。その意味でも保存紙です。
東京では成し得なかったドリームランドは岩手県花巻を中心に広がり、今でもその人気は続いています。賢治童話や詩は、岩手の自然からもらったものです、と賢治は言っています。童話の登場人物や場所を訪ねるのも楽しみの一つです。何度読んでも味わい深いのが賢治作品の魅力です。
537号の「日々の新聞」1面は「ほんとうの政治とは何かを考えよう」でした。自分が投じる1票がいかに重いかを啓発していました。7月20日は参議院選挙がありました。特集「いわき2025夏海岸線を歩く」では、数人の方に取材をしていました。生の声にはいわき弁まじりもありました。このように取材に行って、丁寧に紙面に反映しているのが「日々の新聞」の特徴です。
私は配達されて1面から12面まで大きな見出しで全体をサッと目を通し、次に気になるところからじっくり読みます。数日間かけて全ページを読みます。個性の光る広告が多い中で、時には笑いも出ることがあります。
宮沢賢治は「雨ニモマケズ」を書いていますが、その中には、「東二病気ノコドモアレバ行ッテ看病シテヤリ…」のように「行ッテ」の精神が大切にされています。
私の所属する「いわき賢治の会」では、メンバーのイベント情報を共有し、可能な限り出かけることにしています。春には「只見川霧幻峡の旅」に参加してきました。高齢になり体調を気にしながらも、見て、聞いて、食べて、楽しい仲間の旅でした。
(宮沢賢治学会会員・いわき賢治の会事務局)
そのほかの過去の記事はこちらで見られます。
