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カンパニーグランデ

 さいたま彩の国劇場で、2月7、8日と「春の祭典」カンパニーグランデが開催されます。その美術打ち合わせが劇場でありました。
 芸術監督の近藤良平さんからの依頼で引き受けた仕事ですが、近藤さんとの作り方は、いつもなんとなくゆるく気ままに自然体で進みます。今回も一番最初のオンラインの打ち合わせは、その典型的なものでした。しかし、そのゆるさがなんともいい結果を出してくれているのです。
 オンラインの打ち合わせは、互いに時間がなかなか合わなくて、私の移動中になりました。私は船を待つ列に並んでいました。その状況を説明すると、面白がってくれる近藤さんは「どんな様子か伝えてくれる?」と言い始め、私の実況中継が始まりました。
 桟橋に船がやってきて、そこに乗り込んで行く。フェリーなので車や郵便バイク、そして荷物はお米とか、食品とか、宅急便とか。船員がロープを操り、船を桟橋に留めたり、離したり…。船が出ると、今までいた場所は遠くなり、目的の島が近づいてくる。「桟橋と船、いいね!」。近藤さんはずーと、オンライン中継の画像を見ながら、舞台のイメージをスケッチし始めました。
 これが1回目の打ち合わせで、その後、舞台装置の基本形が決まり、その中には桟橋をイメージしたセットがありました。2回目の打ち合わせは、この桟橋と船のイメージの構造体に、どんな装飾を取り付けていくかということになりました。「カンパニーグランデ」とは、一般市民が100人(公募で800人ほどが応募してきているらしい)ほどが集まり、1年をかけて様々なワークショップを行って、年度末にステージを1本公演するという舞台です。私が勝手に「人間と人間楽しんでいこうぜプロジェクト」とネーミングしました。
 メンバーは様々で10代から70代まで、仕事をしながらの人がほとんどで、いわゆる多様性の集まりです。なかには警察官もいるといいます。私はメンバーに自分の服、古着を持ってくるようにお願いしました。それを舞台装飾に使う予定です。さてさてどんな舞台になるでしょう。私も楽しみながらやっています。

                                    (アーティスト)