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古い街を掘り起こす | 526号 |
古い地図を再現して当時の話を聞き、記録する。そんな作業を平、湯本と続けている。身近な話題だけに興味を持つ人が多いようで、書店に置いている新聞の売れ行きがいい。「次は小名浜を頼むよ」と言われたりもする。まちを掘り下げていくと時代や人が浮かび上がってくるのだが、昭和のことでさえ地元の資料がほとんどなく、人の記憶も曖昧なので、ジグソーパズルをつなぎ合わせるような地道な作業が続く。そんなときは時代の空気というか風俗に目を凝らし、古老の話を聞いて手がかりをさがす。そうでなくても時代の移り変わりが早いので、いまの価値観をわきに置いて、その時代に身をゆだねることが必要だ。
地域紙の記者をしていたころは日々の出来事に追われ、その事象を俯瞰して見ることができなかった。事件が起こる、なんとか警察発表にプラスアルファを載せたいので、どうしても強引になる。一つ区切りがつくとまた新しい事件が起こる。その連続だったので、近視眼的になっていた。
でもいまは既存メディアとは違う目線で記事を書くようにしているので、現象から少し目を離して考えられるようになった。しかも、取材を通して学べる。それがありがたい。
(編集人 安竜昌弘)
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