548号

年賀状のはなし 548号

 

 11月の初めぐらいから時々、家族で「年賀状をどうする」という話をした。ここ数年、届く年賀状に「本年をもちまして年賀状によるご挨拶を控えることにします」と書かれているものが何枚かある。「八十歳になったので」という年齢的でないものもあり、年賀状を送ることが迷惑になっているかもしれない――というのが家族で悩む理由といえる。
 わが家では「年賀状をやめよう」という話は出ていない。でもSNSがこれだけ日常にとけこんでいるなかで、LINEなら「あけおめスタンプ」があり、はがき1枚送るのに85円かかり、「年賀状を書く」プレッシャーからも解放され、時代の趨勢として年賀状じまいはわからなくはない。だから送ることが迷惑なのでは、と考える。
 年賀状の歴史は平安時代までさかのぼる。そのころ年始回りの習慣も広まり、身分の高い人たちの間で手紙での新年のあいさつが始まった。江戸時代に飛脚の活躍で庶民にも広がり、明治時代には郵便制度が整い、官製はがきが作られ、明治20年ごろには年賀状が年始の恒例となったという。お年玉付き年賀状は昭和24年に登場した。
 例年のように、本屋で年賀状デザイン集を買った。ずいぶん種類が減って、愛用していたデザイン集も姿を消した。12月に入ってパソコンで作ったが、枚数で迷っていて印刷していない。家族もそう。けれど年賀状を送ろうと思っている。 

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