567号

おとなのための地学 567号

 この夏に取材をしてから、わたしのなかのどこかに恐竜が棲みついている。恐竜がいた時代、2億5000万年から6600万年ほど前は超温暖化時代で、なかでも恐竜全盛期の白亜紀は平均気温が24度から34度もあって、南極やグリーンランドを覆っているような氷層は、地球のどこにもなかった。火山活動が活発だったから、大気中の二酸化炭素濃度もとても高い。
 ふとその時代を想像していると、恐竜のダイナミックな4拍子の呼吸を感じる。そんなことを思っていた時、鉱物を研究している関内幸介さんが編集室にいらして、いわきの大地のなりたちを教えてくれた。地学の知識が中学生で止まっているので、うまく説明できないが、いわきの大地はさまざまな大陸のパッチワークらしい。わたしのなかの恐竜と関内さんのはなしに、にわかに地学に興味がわいて、いま少しずつ、おとなのための地学の本を読んでいる。
 地球をベースにその成り立ちや歴史、プレート、マグマ、巨大地震と津波……。副読本は宮澤賢治の物語。「銀河鉄道の夜」や「グスコーブドリの伝記」をはじめ、賢治の物語にはあちこちに地学の知識が散りばめられている。「星めぐりの歌」の、あかいめだまのさそりが、アンタレス(赤くて表面温度が低い)を意味しているように。地学の本が秋の夜長の楽しみになっている。        

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