夢を乗せ、夢で走るオープンカー
虎、とら、タイガース |
3週間前の晴れた日曜日、いつもの通り道で虎と目が合った。意表をつかれ、数秒、頭がまっ白になったが、たぶんあの虎だった。
早々に阪神の優勝マジックが騒がれ始めたころ、朝食をとりながら見ていたテレビ番組で紹介していた、一人乗りの電気自動車「阪神タイガースQUNO(キューノ)」。翌朝、出勤する際にゆっくり車を走らせて確認した。やっぱり、あの虎。それから毎朝、前を通る時に「おはよう」と声をかけている。
虎の持ち主は平中神谷の秋元自動車販売の秋元勉さん(48)。タカラの子会社の「チョロQモータース」がタイガース車を、星野仙一監督の背番号にちなんで限定77台販売する新聞記事を読んで注文した。秋元さんはどちらかと言えばジャイアンツファン。それでも今シーズンのタイガースはいいなぁと思ったし、限定品が好きだった。前に1000台限定のスカイラインGTRを買ったこともある。
東北ではたった1台というタイガース車。黄色と黒の虎柄のボディ、ハンドルもフロアマットも黄色と黒のコンビ。ボンネットと右サイドにはタイガースのチームロゴ、バックには星野監督の背番号77、まるごとタイガースのオープンカーだ。8時間の充電で約80km走り、最高速度は自称50kmだが、もっと早く走れるらしい。値段は150万円ほど。
まだナンバー登録をしていないので、一般の道路は走れない。いまのところ、秋元さんの店の看板娘?!だ。店に虎がいることを知って、見に来る人もいる。携帯電話で写真を撮っていく人もいて、人気は上々。虎を見て、さわって、みんなが夢を見られたらいい、と秋元さんは思っている。虎は“夢で走る車”だという。
2003年を象徴する漢字は虎だった。タイガースの活躍に元気や勇気をもらった人が多かった。さて、今年はどんな年になるだろう。真っ新なカレンダーを見ながら思う。年の初めのいまを漢字で表すなら、やはり“夢”だろう。
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