風の通る家
あさがお | 225話 |
慢性的な人手不足のせいか、余裕がない。昨年は2つのプランターに明後日朝顔の種をまき、つるが伸びても大丈夫なようにネットまで張ったのだが、ことしは忙しさにかまけてできなかった。ところが種がこぼれてあちこちに芽が出始めた。
その苗を1つのプランターにまとめて水やりをしていたら、つるが伸び始めた。「これは大変」とプラムの木にからませたら、空に向かってぐんぐん伸び、いやに茎が太く、葉も大きくなった。そして見事な花が咲いた。暑いなか、小さな贈り物をもらったような気分になった。つるの先を見ていると、イギリスの童話「ジャックと豆の木」を思い出す。天空に吸い込まれそうになるのだが、もちろん、登ることはできない。
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