日々の新聞とは
シンプルに見て考える |
「日々の新聞」は、いわきで今起こっていることを深く取材し、独自の切り口で伝える隔週刊の新聞です。2003年の3月に創刊しました。 福島市出身の詩人・長田弘に「アンダスンと猫」という散文があります。実在のアメリカの小さな新聞社のことを書いた物語で、主人公のアンダスンは社主であり、コラムニストです。その中に、こんな文章があります。 「マリオンは典型的な古いアメリカの町だった。ある日一人の男が、町をでてゆく。もどってくる。赤ん坊が生まれる。誰かが死ぬ。なにも変わらない日々だけがのこる。だが、ありふれてみえる町の日々の一つ一つには、人がそこで生きている無言の物語が籠められている。 いわきで暮らす人たちの物語、その大部分が語られることのない無言の物語でしょう。それらをどう拾い上げ、伝えるのか。それが地域紙の記者の仕事だと思うのです。表面に見えるものではなく、その奥底に潜む声なき声、それをどうすくうかが重要なのです。 |
「日々の新聞」編集人 安竜昌弘 |