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「競走馬のサナトリウム」ともいえるのが、常磐白鳥町にある日本中央競馬会競走馬総合研究所常磐支所。ここは新緑が美しい。その日は、あいにくの曇り空だったが、乗り運動などを終えた馬が次々とやって来て、気持ちよさそうに温泉シャワーを浴びている。競馬場では、より早く走るために闘争心むきだしのサラブレッドたちも、ここに来ると心身がリフレッシュされるらしく、性格が穏やかになるという。
蹄鉄を調整する装蹄師の上野政人さんは、この道20年のベテラン。500キロもの体重を細い4本の足で支えるサラブレットにとって、蹄鉄は非常に重要だ。人間の足がそれぞれ違うように、馬にもさまざまな足があり、爪がある。それを見極めて、蹄鉄をつくり6本の釘を打つ。ちなみに、今話題の四冠馬・ディープインパクトは、爪が浅くて釘が刺しにくく、よく爪に当たっていたという。「ここは足を痛めている馬ばかりなんで、蹄鉄にもさまざまな工夫が必要なんです」と上野さんは言う。
この研究所の存在を一躍有名にしたのがサクラスターオーだった。皐月賞を制した直後、足を故障したスターオーは7カ月の休養を挟んで、いきなり菊花賞に挑戦し、優勝するという離れ業をやってのけた。その休養先に選んだのが研究所で、スターオーはプール調教などを通して、心肺機能を高めながら調整し、見事に栄冠を手にしたのだった。しかし次の有馬記念でレース中に故障し、5カ月間の闘病生活の末、安楽死の措置がとられた。18年前のことだ。
帰り際、上野さんが「これをどうぞ」と新品の蹄鉄をくれた。馬は人を踏まない。だから人をひかないように車に付けている人が多いのだという。24日からはいよいよプール。見学者も増える。
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