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中南米の音楽が奏でる調べには喜びも悲しみもある
DUO14号イメージ
薄葉 洵子さん(自営業)
 
 国道6号沿いにひっそりとたたずむ「中南米音楽の店 モンテヴィデオ」。その趣は、30年前の開店当初とまったく変わっていない。薄暗い小さな店。その、アンデスのにおいがする店で何人が語らい、音楽を共有したのだろうか。そして、その傍らには、いつも太陽のように明るい洵子ママがいた。  30歳だった。長くOLをしていた洵子さんは、自分で商売を始めたいと思った。お金はなかったが、夢はあった。喫茶店が好きで、ラテン音楽がよくかかる「丘」によく通 っていた。「自分の店が持ちたい」と思った。
 1年間にわたって喫茶店で見習いを行い、「さぁ開店」と思ったらドルショック。「もう少し待ったら」と忠告されたが、「どっちみちゼロからのスタートだから」と自分に気合いを入れ、店を開いた。「モンテヴィデオ」とは、名曲「ラ・クンパルシータ」が生まれたウルグアイの都市。間もなく、中南米音楽が大好きな人たちのたまり場になった。
 「こんな曲ありますか?」と尋ねられるから、自然と勉強するようになり、レコードも片っ端から買った。そうしているうちに川俣コスキンなど、独自の中南米ネットワークが広がり、コンサートやディナーショーまで主催するようになった。3年目、5年目、7年目。でも、すべて赤字。3回で100万が飛んだ。「それでは」と10年目には、本場に飛んだ。店を20日間閉め、アルゼンチンで開かれた本場のフェスティバルを見に行った。ウルグアイのモンテヴィデオも訪ねた。古い家並みと新しい家並みが混在している大西洋岸の町。この、「美しい山」という意味を持つ町に立ち、風のにおいを嗅いで感慨無量 になった。
 「人間の中に音がないとだめね」と洵子さんは言う。スペインの侵攻によってさまざまなリズムや音が混じった、中南米の音楽。その幅は広く、多様性にあふれている。「ほんとうに飽きない。だからこんなに長く商いをやってこられたんでしょうね」と洒落たあと、「自分の体質に合っているのはタンゴかな」と、さらりと言った。  今、月1回店で「中南米音楽をきく会」を開いている。メンバーが曲を持ち寄り、うんちくを語る。喜び、悲しみ…。それぞれが自分の人生を曲に投影し、楽しむ。






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