1997年に総合病院は法的になくなった。1つのまちで複数の総合病院が競争すると、地域医療はうまくいかない。病院の特徴を生かして選択、集中させ、自分の病院だけで頑張るのではなく、病院と診療所、病院同士が連携して、地域として医療を完結させなさい、となった。それで、名前として残っているところはあっても、総合病院は廃止された。
福島労災病院の場合、地域のかかりつけ医と連携しながら診療・治療をする地域医療支援病院の承認を受けている。いま、240ほどの診療所が連携の登録をしている。かかりつけ医からの紹介で患者さんを診療、治療して、またかかりつけ医に戻す。そうすることで、難しい病気に集中できる。
かかりつけ医には「入院した時は、1度ぐらい患者さんに顔を見せてよ」と話している。労災に入院していても、かかりつけ医もその患者さんを診られる。オープンベッドも5床あって、かかりつけ医と両方で患者さんを診察することもできる。
連携を登録している診療所は労災での勉強会に参加できるし、図書室も利用できる。情報は24時間、ファクスで流している。
もう1つ、地域がん診療拠点病院の承認も受けている。診療、手術などの治療から最期まで看取るシステムを構築している。いわきは広域なので在宅患者の往診が大変だが、地域の診療所に在宅支援診療所の登録をしてもらって連携することも考えている。
労災は胃がんや大腸がん、肝臓がんなどの消化器疾患の手術数が多い。消化器内科と外科を併せて、今年中に消化器病センターを立ち上げる準備をしている。例えば胃がんを手術する場合、消化器内科から外科に紹介状を出しているが、センターでは内科医と外科医が一緒に患者を診て、責任を共有する。
医師不足は事実。いま、労災に麻酔科の医者はいない。シフトを組んで5人の麻酔科医に来てもらっている。そのため夜間、救急車での手術は受けつけられない。いざとなれば外科医が麻酔をかけられるけれど。医療資源の有効利用をする。暇なところは忙しいところに手伝いに行けばいい。
放射線治療をする医者は週1回、東北大学から来てもらっている。よその病院で手術した患者さんの放射線治療を頼まれることもある。産婦人科はいまいる2人の医師が産業医科大学に引き上げるが、新しい医師は来ないため、8月中旬ぐらいでなくなる。すでに1月ぐらいから予約は止めている。
医師不足をなくすために国は各県に医大を1つ以上つくり、学生を増やしてきたが、大部分の学生は出身地に帰ってしまい、何にもならない。みんな東京の方を向いていて、残らない。福島県立医大で学んだ人は医者になって九年間は帰れませんよ、などとしてくれないと、不足はなかなか解消できない。国がそうやってくれれば、すぐ解決するのに。
共立病院も得意、不得意をはっきりさせた方がいい。救命救急を持っているのだから、そこに焦点を合わせればもっとゆとりが出る。一次、二次、三次医療と全部やっていたら、やりきれない。小さい病院が大きくなって、反面
、高度医療が入っている。だから、もっとスリムにすべき。
いわき全体を考えて自分の病院の具体的にビジョンを立てて、それに向かってコツコツやればいい。これからのあり方を考えるには、話し合いに第三者がいなければよくならない。中からやっては絶対ダメ。市立病院をどういう病院にすべきかを、外の要求、要望に合わせて考えなければ。そして、ある面
では強引にやらないと。
有効なところに資源を与える。選択と集中が大切。 |