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  絵を描くのが好きな少年だった。中学ではバレーボールに夢中になり、福島高専に進学した。でも学校には1学期通っただけだった。「自分の道はこれではない。絵を描きたい」。自宅浪人して、翌年、磐城高校に入学し、目的の美術部に入った。
 それから3年間、ひたすら絵を描いた。ジャズ喫茶に入り浸り、美術論に熱くなった。画集で見たゴッホに傾倒し、「日に1枚の油絵を描いていた」というゴッホに対抗して1日1枚をノルマにした。ゴッホの強烈な色彩 と激しいタッチにあこがれた。
 美大受験に失敗し、美術専門の予備校に通って再度、挑戦したが結果は同じ。「くせが強すぎて、受験には合わない」。そう自身の作品を判断し、美大はあきらめて、東京でアルバイトをしながら絵画学校で学んだ。
 ゴッホ、ピカソ、ムンク、それにマグリット。その時々、好きになった画家の影響を受けた。好きになるとまず真似をして、特別好きな作品は模写した。それが勉強だった。特にマグリットの影響は大きく、表現主義からの脱皮でもあった。
 版画を始めたのは12年前、いわき市立美術館の銅版画講座を受けたのがきっかけだった。銅版画から徐々に、油絵と同じようなモチーフに仕上がるリトグラフに移った。金属の抵抗がある銅版画はおもしろいが、リトグラフの方が合っていた。
 リトグラフは間違っても消せない。だから下絵の段階できちっと完成形まで描く。そうしないと、あとで苦労する。版画を始める2年前、田口安男さんにテンペラ画を学び、以来、油絵はテンペラと油彩 の混合技法で描いている。
 油絵の作品にもよく登場する道化のような男、それに月。道化のような男はある時、不意に出てきた。意識はまったくしていないが、無意識にはやっぱり自分自身。月が出てきたのは最近で、満月、三日月、そしていつの間にか目や鼻、口が現れた。
 ひらめいたイメージをメモしておいて、そのなかから気に入ったイメージをきっちり構成する。雑誌を見たり、展覧会を眺めたりなどリラックスしている時、それに明け方の頭がはっきりしている時に、イメージは突然やってくる。
 モノクロの版画は想像の幅が広がる。それが魅力でもある。よく「物語を描いているのですか」と聞かれるが、そうではない。見る人が自由に一枚のモノクロの版画から物語の扉を開ける。そのストーリーを聞くのが、作り手としては楽しい。
 4月に53歳になった。これからどんなものが作れるのか、それはわからない。意識して描いているわけではないから。  
               ■
 下山田晴彦展は6月4日まで、いわき市立美術館1階ロビーで開かれている。リトグラフと銅版画が36点展示されている。







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