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 中島みゆき「縁会2012〜3劇場版」が来年1月24日から、全国で一斉に公開される。いわきでは、ポレポレいわきで上映される。18日、監督の翁(お)長(なが)裕(ゆたか)さんが来社した。みゆきさんのこと、コンサートを映像にして世に問うことなど、ざっくばらんに話を聞いた。

 翁長さんは沖縄県那覇市生まれ。カメラマンとして音楽関係のアーティストの写 真を撮るようになり、その後、映像の世界にも進出した。中島みゆきをはじめ、GLAY、Blankey Jet Cityなどのミュージック映像を手がけ、なかでも中島みゆきは、今回の「縁会」までの劇場版、五作品すべての監督を担当した。

 音楽の世界に入ってから心がけたのが、音を感じられる写真。写 真を撮っていくうちに音を絵にする面白さを感じていった。さらに、ミュージッククリップなどをきっかけに映像の世界に足を踏み入れるようになり、最初から自分の感覚、責任で作品をつくりあげる面 白さに目覚めていく。いわゆるディレクター業は「おさまりのいい仕事だと思った」という。
 コンサートを映像として残す仕事は、その場に立ち会うことができなかった人たちに対して、その場の雰囲気を翻訳するようなもので、それは単なる記録ではなくて表現。アーティストのメッセージや、観客が得た感動をどれだけ伝えられるかが勝負になる。生音の迫力がない分、ステージの本質ともいえる表情や雰囲気を拾い上げてコーラジュし、ライブ以上のものを提示したい、と翁長さんは思っている。それは映像ディレクターとして、コンサートに化粧してあげるようなものだという。かたちではなく、心で撮ることを心がけている。
 みゆきさんは、自分のステージに自らかかわり、こだわる。純粋に曲を聴かせることに全身全霊を込める。だから求めるものが高く、研ぎ澄まされていて隙がない。気合いが違う。その分、映像を撮る側としてはカメラの台数が少なくてすむ。余計な演出をせず、直球での真剣勝負ができる。それは、一層の深みや高みをめざすための闘いで、とてもやりがいのある仕事だという。
 正直、みゆきさんの歌は重くて、BGMとしては気楽に聴けないと感じていた。しかし仕事と年を重ねていくうちに、中島みゆきの音楽観、世界観が体と心の中に入ってくるようになった。

  翁長さんは田家秀樹さんとの対談で「心の断(だん)捨(しゃ)離(り)と言いますか、映画館に入る前と後の変化を楽しんでいただければ」と言っている。断捨離とは、不要なものを減らし、生活や人生に調和をもたらそうとすること。翁長さんは、みゆきさんの歌を聴けば気づき、心動かされるものがあるはず、と言いたかったのだろう。
 「みゆきさんのコンサートは大人のための音空間。特に『時代』『倒木の敗者復活戦』『世情』あたりは傷を負ったものへの優しさがある。刺されても膿が出る。まさに菩薩。東北でできてよかった」。翁長さんのメッセージだ。




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