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田人の森に立ち、どっぷり浸かる。感触、におい、光、音、風を全身で感じて、イメージを膨らませる。時に夕立が降ったり、蝉が合唱を始めたり、いろんなハプニングに出会う。それも材料にして作品をつくり、その場に展示する。それが、田人の森で遊ぶ「アートミーティング」。2001年、2002年、2004年と、今年3回目になる。
田人の森に住む山本伸樹さんはアートミーティングの中心的な存在。「何かやりたいね」と、2001年に仲間たちと軽い気持ちで始めた。その年は大勢の人が森を訪れ、とても盛り上がった。
2回目の2002年には組織をしっかりつくり、会議を数え切れないほど持って準備を進めた。いろんな意見が出されたのはよかったが、みんな気負ってしまい、プレッシャーも感じ、精神的に疲れ果
てた。結果、作品も新鮮味がなくなって「これで終わり」の雰囲気が漂い、2003年は一夜だけ内輪の十数人でパフォーマンスをしただけで、表立っては開催しなかった。
そして今年。山本さん自身は積極的に開きたいと思ったわけではないが、「田人の森で何かやりたい」という声がいわき以外の作家たちから届き、迷いもあったけれど開催することにした。続けなければならない、というのではない。しかし、また1から始めるのは、ものすごくエルネギーのいること。それなら、その火を絶やすべきでないとも考えた。
作家の立場でいえば、アートミーティングは“田人の森”という環境で表現を考え、自分の作品を見つめる場だ。森に触発され、イメージが湧いて、作品へとつながる。それは偶然性が生み出す抽象画に似ている。
集まった作家たちの単なる批評会ではなく、さまざまな人と出会って話をしながら、それぞれの生き方にふれて刺激を受ける、そんな作家同士のコミュニケーションがそこにはある。第一線で活躍している作家などは、日常の閉塞感から解放されるという。
ただ、日ごろ田人の森で生活している山本さんにとっては、森の空間で絵になるような作品をつくるのは難しい。日々、森とふれあい、その奥深さを感じているから。
今年の参加アーティストはほとんどいわき以外の人だった。場所もほぼ山本さん宅周辺に集約され、コンパクトで、シンプルなアートミーティングとなった。それでも森を歩くと楽しい。アート、それに文学の世界にどっぷり浸れる。
「それぞれの作家が田人でやる意義を持っている。やりたいという作品が並んだ」。山本さんは満足そうに語る。 |
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