414号 2020年5月31日 |

特集 コロナのはなし
首都圏などを除き、39の県の緊急事態宣言が解除された5月14日の夕方、隣の公園から賑やかなはしゃぎ声が聞こえてきた。6、7人いただろうか。伸び放題の草むらもなんのその。若者たちはフリスビーを投げ合って走りまわり、疲れたらベンチに座ってじゃれながら話をし、それはそれは楽しそうで、このところずっとため込んできたエネルギーを一気に解放させていた。
緊急事態宣言が解除されても、すぐにそれまでの日常には戻れず、それぞれが恐る恐る少しずつで、数カ月前と同じにはいかない。新型コロナが収束したのではなく、どうやら第1波は抜けたようだからで、この秋冬には、いやもっと早く第2波がやって来るかもしれない。それを心に留め、この間に備えなければ。だからなおさら、解放感あふれる若者たちの姿がさわやかで気持ちよく、眩しかった。
いわき市では3月7日に初めてPCR検査で陽性が確認され、これまでに15人の感染者が判明している。最後の陽性者が5月3日に確認されて以降、感染者は出ていない。さいわい、15人のなかで重症になった人はいず、5月17日までにすべて退院している。
その後、首都圏など1道1都2府4県も宣言が解除され、六月中旬から首都圏や北海道との移動の自粛も解かれる予定になっている(旅行は8月1日から)。さて、コロナ第1波はいわきに何をもたらし、いまどんな影響があるのか。そして、これからをどう考え、わたしたちは何をすればいいのだろう。
特集 コロナのはなし |
東洋システム社長 庄司 秀樹さん
庄司さんは今後グローバルとローカル2つを合わせたグローカルな世界になっていくだろうと考えています。いわきも観光に力をいれるのではなく、産業再生をすべきだったと話します。
福島県の新エネルギーのこと、また新型コロナ後日本はどのようになるのか、思いを聞きました。

いわき信用組合理事長 江尻 次郎さん
江尻さんは、人にとってなにより大事なのは人と人とのつながりで、それが物やお金の代わりに資本になると言います。新型コロナで先が見えないいまも、不安を感じるお客様を明るく励ましています。前向きに努力すれば必ず先にいいことがあると考えているからです。

19年前に、いわきでは無理と言われながらライブハウスを立ち上げた関野さんは、音楽、映画などの文化は人間の人格育成に重要なものと考えています。新型コロナで文化が衰退することのないよう、いま取り組んでいることなどを聞きました。

いわき市病院事業管理者兼いわき市医療センター院長 新谷 史明さん
いわき医療センターは、いわき市の15人の感染者全てを受け入れ、PCR採取も行っています。センターでは受診控え、周囲の偏見、差別があったと言います。
未知の病気を受け入れるとまどい、センターの体制、院内感染を起こさないためにどのような対処をしたのか、現場の様子を聞きました。

いわき市教育委員会教育長 吉田 尚さん
小・中学校は5月21日から段階的に再開していて、6月から本格的に再開します。休校中の授業の補填をどうするのか、学校行事はどうなるのか、見通しを話してくれました。
また学校でのコロナ対策、オンライン授業について聞きました。

いわき商工会議所専務理事 小林 裕明さん
小林さんは、地域が生きていくために必要なことは、行政頼みにすることではなく地元の支援だと言います。自分たち一人ひとりができることをする、できる範囲でお金を出す、そのことが互いを支えることになり、大きな力になると呼びかけます。

新型コロナウイルスのこと(5)
いわき市内の新型コロナウイルスのはなし
いわき市内ではこれまでPCR検査で15人の陽性が確認されています。5月17日までにすべての感染者が退院しました。
「東横インいわき駅前」が宿泊療養施設として5月18日に開所しました。県が1棟借り上げ、100室あります。外出、面会、差し入れはできません。県と市の共同運営で職員が常駐しているほか、日中は看護師が2人います。医師とは24時間連絡が取れるようになっています。

連載 |
戸惑いと嘘(48) 内山田 康
歩いて触れて触れられて考えてまた歩く(1)
阿武隈山地の万葉植物 湯澤 陽一
(11)チガヤ
地域新聞と新聞人⑬ 小野 浩
ツェッペリン号がいわきの空に
ぼくの天文台(54) 粥塚 伯正
何かが足りない、