476号 2023年1月1日 |
ウクライナを知って助けてほしい
save ukraina help ukraina
横浜市磯子区の鈴村稔さん(75)は昨年4月、ウクライナの水彩画集を作った。ロシア軍が2月末にウクライナに侵攻し、病院や学校、住宅など市民の生活空間をも攻撃して死傷者を出しているなかで、ウクライナという国をまず知ってほしい、という思いからだった。
チェルノブイリ子ども基金の活動にかかわってきた鈴村さんは2004年、理事長になり、薬品や募金を持って初めてウクライナとベラルーシを訪ねた。2006年にはウクライナからの留学生の誘いで、ポーランドとの国境に近いリヴィウからロシアに併合されたクリミア半島までを二週間かけて旅した。
さらに2007年から2010年にかけて、ウクライナ子ども民族舞踊楽団の支援を兼ねて個人的にキーウに5回出かけ、スケッチもした。画集はそれらの風景画と、スケッチをもとに木製パネルにカッターナイフで削り込む技法の新たな作品をまとめた。
ロシアの侵攻から半年、終わりが見えない状況下で鈴村さんは作品を持って自ら外へ出て行く決心をし、いわきでのウクライナ支援展の開催準備を始めた。大きな原発事故が起きたチョルノービリと福島。いわきは奥さんで画家の線幸子さんの故郷でもある。
鈴村さんのウクライナの水彩画展は12月中旬、平二町目のヤマニ書房本店の3階で開かれた。ソフィア大聖堂、ドニプロ川、ウクライナ国立オペラ劇場…これら美しい土地が日々、爆撃に遭い、市民が巻き込まれている。
とにかく水彩画を見てウクライナを知り、考え、多くの人々がなにか行動してウクライナを助けてほしい、と鈴村さんは言う。支援の個展は今後も地元の横浜や鎌倉、京都などで予定されている。
特集 田口亮男の植物研究 |
120年前に植物を採集し標本に残した田口亮男。その業績はいま、福島大学の黒沢髙秀教授によって整理研究が進められ、少しずつ明らかになっている。来年1月日まで福島大学付属図書館で「120年前の福島県の海岸植物展」が開かれているのを機に田口の植物研究の一部やその人生を紹介する。
プロローグ
田口亮男のこと
120年前の福島県の海岸植物展
噴火から20年後の磐梯山北側斜面と裏磐梯の植生について
わが地方の植物名の方言
迷信のはなし
記事 |
鈴村稔さんのはなし
鈴村稔さんが12月18日まで、いわき市平のヤマニ書房でウクライナ支援展を開いた。これから各地に広げていくという。鈴村さんのウクライナとの縁、思いを取材した。
箱崎文應大僧正のこと
厳しい回峰行を何回も成し遂げた箱崎文應の人生に興味を持った鈴木秀夫さんが昨年伝記をまとめた。その思い、箱崎文應の生涯を紹介する。
ギャラリー見てある記 石川貞治展
メトロノーム
廃案になった意見書
砂を噛むような思いが続いている
連載 |
戸惑いと嘘(89) 内山田 康
遠くから島を振り返る④
阿武隈山地の万葉植物 湯澤 陽一
(72)ミル
パンドーラーの箱(9) 福島の海から考える 天野 光
汚染水の海洋放出 東電の新たな2022年11月申請
コラム |
月刊Chronicle 安竜 昌弘
この12年
空き地に広がる太陽光パネルの波
挙げ句の果てに岸田政権は原発回帰