483号 2023年4月15日 |
夜の森の桜並木がすべて歩けるようになった
4月の初めに双葉郡富岡町の夜の森の桜並木を歩いた。全長2.2㎞ほどに約420本のソメイヨシノが植えられていて、春にはピンクのトンネルが現れる。これまで旧富岡第二中学校(2022年に富岡一中と統合)側の300mしか見られなかったが、4月から帰還困難区域に入っていた1.9㎞の避難指示が解除され、すべて歩けるようになった。
特定復興再生拠点区域と言うのだという。富岡町の場合、夜の森地区と大菅地区が区域に入っていて、除染をして居住制限と避難指示解除の準備を進めてきた。原発事故前、多くの人々が住んでいた、ということが区域に設定された理由のようだ。それに桜並木があることも。あいにく線量計を忘れてしまったので、地区内にあるモニタリングポストの数値を確認しながら歩いた。
旧富岡第二中学校近くでは一時間あたり0.2μSv、夜ノ森駅前は0.168μSv、国道6号線から夜の森公園に向かう住宅地は0,568μSvだった。一般的に、設置されているモニタリングポストは線量計より値が低く出る傾向にある。事故から12年経って、線量はかなり減衰しているが、それでも決して低くない数値で、特定復興再生拠点区域の課題が見え隠れする。
訪れた日は平日で、混雑を感じるほどの人出ではなく、人々はうれしそうに満開の桜を見上げ、ゆっくり並木を歩いて写真を撮っていた。原発事故後、いつか桜並木を全部歩けるようになるといい、と願った人は少なくない。めぐる季節のなかで、人知れずひたむきに花を咲かせてきた桜並木もそれを願ってきたはずだ。
桜並木を歩きながら、浮かんできたメロディは森山直太朗さんの「さくら」だった。
僕らはきっと待ってる 君とまた会える日々を
さくら並木の道の上で 手を振り叫ぶよ
どんなに苦しい時も 君は笑っているから
挫けそうになりかけても 頑張れる気がしたよ
青空に枝を伸ばす桜を見上げ、30年、50年、100年後の夜の森、そして浜通りを思った。
さくら巡り 猪苗代町 |
記録的な早さで北上を続けている桜前線。高原の猪苗代の桜が気になり、4月6日、異な賄賂に足を延ばした。観音寺川沿いの桜並木は数輪咲いていたが、ほとんどはつぼみ。4月半ばでも見られそうだ。
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