2001年9月10日の月曜日の夕方、日比野さんは青いショルダーバックをたすきにかけて、ひょうひょうといわきへやってきた。それからの数日間、日比野さんをひたすらマークし、一挙手一投足を追いかけた。人見知りでやさしくて、いつまでも少年の心を失わない43歳の1人の人間。それが、「日比野克彦」だった。