台風19号で、いわきでは9人が犠牲になりました。事前に最大級の警戒が必要と報道されながら、なぜ多くの犠牲者が出たのか。災害に対する課題、浸水した平浄水のこと、災害後の状況などを取材しました。 (写真提供 尾形比呂哉さん)
被害者が高齢者であったことから、高齢者に情報を伝える方法が適確であったか、高齢者は避難勧告や避難指示という行政用語を理解していたのかなど疑問だといいます。
「川が決壊した」という連絡はなかったそうです。流れ込んだ砂土やゴミでどうしようもなく、役所に連絡すると、「ボランティアに頼むように」と言われたそうです。
雨が止んで眠れると思ったら、どんどん水が上がってきたそうです。水が上がってからの避難の状況などを聞きました。
雨が上がり、月や星が出て、その後「ゴーッ」という水音だけが聞こえたけれど、真っ暗闇で何が起こっているのかわからなかったといいます。
中平窪区長の降矢さんは自分の携帯番号を公民館に貼って、電話に寄せられる声を行政に伝えています。しかし、行政の動き鈍く、被害が出てから動きはじめるのが現状だといいます。
尾形キヨノさんの家には毎日のように友人が集まっています。台風の夜は平屋に住む心臓の悪いひとり暮らしの友人を招き、一緒に過ごしました。 キヨノさんの家は、玄関のポーチまで水が来たそうです。震災後、友人2人が寝泊まりしています。 キヨノさんの家を通 して近所との繋がりがいかに大切であるかが伝わってきます。
行政の対応の悪さに、自分たちで動くしかないと思ったという横山さん。SNSなどを通 して、たくさんの人が支援してくれました。今回の台風被害でお寺はコミュニティの場になり、本来の姿になったといいます。