「磐亭よもやま話」を連載している佐藤好夫さん(75)=東京都港区在住=が21日、編集室に顔を見せた。「母の墓参を兼ねて、一度編集室にあいさつを、と思いましてね」。それが来訪の理由。電話では何回も話しているが、会うのは初めてである。写 真も送っていただき、どんな感じの人かは、ある程度想像できたが、生の佐藤さんは、予想以上にダンディでニヒルだった。 ロマンスグレーの髪、低いしわがれ声。遠くを見る目が鋭い。そして、沈黙のあとにボソッと話す。さまざまな話をしたあと、「新聞を読んで吉田富美さんの絵が見てみたいと思っていたのですが、電車の時間もあるので断念します」と言うので、「まだ間に合いますよ」とお連れした。 佐藤さんは磐中会(美術クラブ)の出身で、芸術に詳しい。富美さんの絵を食い入るように見つめ、「私は、こういう絵が好きです。いいですねぇ」と感想を漏らし、帰って行った。そして数日後に手紙が届いた。そこには「生来の口下手が無理して実のない昔話、世間話に終始し、いささか悔いています」と書かれていた。