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 三月半ば過ぎの十八日ごろが、彼岸の入りである。ただし本年は閏年なので十七日である。だから彼岸の中日は例年の二十一日でなく二十日である。春・秋の彼岸は夏のお盆とともに仏教徒にとっては最も大切な年中行事で、中日を中心に七日間にもわたって先祖の霊を祭り、仏参り、墓参りを行う。  同じ仏供養でありながら、じゃんがら念仏踊りなどを行う盆は、若者にとっても楽しいひとときである。そうした気持ちを盆唄にあらわしたのが、次の唄である。
 「盆ゝと三日だけ、腐れ彼岸は七日ある」と唄って短い盆を惜しみ、楽しみのない彼岸の七日を揶揄した。
 昔は彼岸入りの日を「帰やせ」と言った。なぜなら仏教の教えでは死ということはなく、すべての霊は六道を廻るものであり、先祖の霊も再び彼岸の初日には、家に帰って来るものである、という思想から来ているのだと思う。だから、団子などを供えるのは家に帰ってきた腹の減った先祖の霊を慰めるためである。
 さて、現在は死者の命日はすべて新暦で記載されている。しかし昭和三十年代までは新暦と旧暦とを合わせて位 牌に記載する場合も多く、年回法要も旧暦を持って行っていた。そこで重要なのは彼岸だけは旧暦の大陰暦でも、太陽の動きをもって行うことになっているので、毎年旧暦の日付とは合うことはなかった。そうしたことを利用して行った彼岸での特別 の供養があやだるである。
 あやだるの日とは、彼岸七日中での日日と使者の亡くなった日日とが月日とは関係がなく合ったこと場合を指して言う。あやだれば、その日は特別 に仏壇に食物を供え、彼岸入りや中日同様に墓参りを行い供養する。死亡してすぐ彼岸になり、あやだると「○○さんは、あれだけの寿命」だと、言われあきらめた。
 送り彼岸とは彼岸の最終日であるが、この日は「送り彼岸に墓参りするもんでねぇ」「墓参りすっと無縁仏につかれる」と忌み嫌い、墓参りをすることはしなかった。腐れ彼岸も、あやだるも、今は知る人が年々数少なくなっている。

(市文化財保護審議会委員)





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