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午前1時。中国旅行から帰宅したゆう子さんを迎えてくれたのは、満開の桜、それと桃の花だった。車のライトに照らされ、ライトアップされているように見えた。美しい出迎えに感激した。
中国で桜は見かけなかった。せいぜいボタン桜。なにより桐の花が印象深い。桐は安く植えられるらしい。小麦の緑に霞がかかり、その上に桐の花の薄紫と白の風景は幻想的で、とてもきれいだった。
ちょうど黄砂がひどくて、マスクを掛けてまちを歩いた。日本画を描いていた父の遺作になった大雁塔を訪ね、そこから西安のまちを眺めたが、黄砂でよく見えなかった。それでも雨あがりは透明な空気が戻った。
西安は昨年の初秋に続いて2度目だが、季節が違うとまちの風景も全然違う。楽しみにしていた一面の菜の花畑はこの冬の寒さで、きれいに咲いていなかった。道路のグリーンベルトには黒ポットのまま花が何千個も並べられていて「水やりが大変だろうな」と思った。
さて、プリティガーデンは三春ではないけれど、寒かった分、初夏の花まで一斉に咲き出しそうな気配。チューリップは最初の白、それにクリームから、ピンクや八重咲きにバトンが渡され、ガーデンが華やかになってきた。毎年、1000個以上の球根を植えているが、その年の気分によって選ぶ球根が違うから、雰囲気も変わる。それが面白い。
白のクレマチスのつぼみも大きくなって、バイオレットのバラとのデュエットが待ち遠しい。とにかくゆう子さんは毎日、ガーデンに出るのが楽しみ。また草との格闘も始まるけれど…。
ぶらりガーデンを見に来るお客さんが増えている。「チューリップは咲きましたか」と、問い合わせの電話もある。やっぱりチューリップの時期はガーデンのメーンシーズン。ゴールデンウィーク終わりごろまで、チューリップは次々咲く。
5月下旬、ゆう子さんはイギリスに出かけ、花の種を買ってくる。来年の春のことで頭をいっぱいにしながら。
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