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ワールドカップ2018年ロシア大会で、日本が戦った試合をテーマに公開制作した。場所は金沢21世紀美術館で、7月7日に行った。この日は「起点としての80年代展」という展覧会の初日で、19人の作家(中原浩大、宮島達男、森村泰昌、大竹伸朗、船越桂などノ)の80年代アートシーンを振り返るものであった。私の出品作品の中のひとつに「PRESENTS
SOCCER」というワールドカップ1982年スペイン大会をモチーフにした作品がある。あれから36年がたち、日本がワールドカップに出場する日を夢見ていた時代から、6大会連続で出場し、決勝トーナメントに進むところまで来たのである。
公開制作の日は大会真っ最中で、日本がベルギーに勝っていれば「日本対ブラジル」の試合が行われた直後に制作する予定だった。しかし結果
はご承知の通り。日本の健闘を讃えるべく、コロンビア、セネガル、ポーランド、ベルギーの4試合のスコアを描き込んだ「SCORE
BOARD」という4連作の作品を作った。サポーターに囲まれ、応援してもらいながら、午前中120分、午後90分、という2試合(午前中は延長戦でした)での制作だった。
36年前はテレビで見たワールドカップのスタジアムの美しさ、特にグラウンドの緑の芝生とスタンドの広告のビジュアルのポップさ(この年からFIFAは大会にスポンサーをつけて運営するようになりました)、そして選手のユニフォームと背番号だった。特にペルーの赤いタスキとアルゼンチンの水色と白の縦縞に心惹かれ、それらが刺激となって絵になっている。
ロシア大会での日本は、「絶対勝てっこない」と言われていたコロンビア戦に、いきなり開始6分で香川が得点し、その後同点に追いつかれるも大迫が逆転のヘディングシュート!。セネガル戦はシーソーゲームで、乾、本田のゴールで粘り強く引き分け。ポーランド戦は負けながらも、勝ち進む作戦に賭けて時間つぶしをしながら次への切符を掴み取り、ベルギー戦は、強国相手に2点を先制するも最後の最後に息の根を止められるという、どれも凄まじいドラマの連続だった。そんな記憶に残る試合のスコアをモチーフに作品を作った。
36年前の自分は、こんな日がくるとは思ってもいなかった。材料は当時と同じく、段ボール。当時は藝大のゴミ箱から集めて来たが、この日は21世紀美術館のゴミ箱から集めて来た。
これらの作品は妻有アートトリエンナーレの明後日新聞社で展示する。
1つのアートのことだけをじっくりと異国の地で対峙できる時間空間が何よりも自身を成長させることになるのは確かです。
私もそうでしたが、今はなかなかそのような時間が取れなくて、半ば彼らが羨ましく、後ろ髪を引かれながら帰国します。7月1日にはまた来ます。
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